curriculum カリキュラム・単位制

自分で学びをデザインする
大日向中等教育学校の学びのポイント
学びの自由と責任
学び方は自分で決めます。進度の目安はありますが、全体にあわせ、一定のペースで進み続ける必要はありません。
得意なところはささっと終え、苦手なところは時間をかけてじっくりと取り組む。年度の前半で1年分を一気に進め、2回、3回と復習を
するなど、自分にあった進め方を身に着けて、主体的に取り組みます。
学ぶ場所の選択も自由です。自分の席以外にも、図書館や廊下など、集中して学びやすい環境を自ら整えます。
体験を通して学ぶ
学びの中心は実際に体験すること。教科書の中だけでなく、地域や社会に出て「ホンモノ」と出会います。
フィールドワークや企業・大学との連携、地域の人へのインタビューなどを通して自分の手で調べ、考え、形にしていきます。
失敗を含めた体験が、知識を “自分ごと” に変え、学びはより深いものになります。
学校生活を自分たちでつくる
行事や校外活動、修学旅行はただ与えられるものではありません。生徒が企画・運営に関わり、仲間と協力しながら創り上げていきます。一つひとつのイベントを乗り越えていくプロセスは、かけがえのない経験になります。
地域、他校、大学、企業と繋がる機会が豊富にあり「学校」という枠を超えて、多様な人と関わります。
前期課程は中学校の3年間に相当し、小学校とともに義務教育期間です。
小学校で身に着けた基礎学力をもとに、より学問的で奥行きのある教科学習へと進み、ワールドオリエンテーション※は、学びが世界とつながる楽しさや面白さを実感する、よりリアルでダイナミックなものへと発展していきます。
日々の学びや仲間との対話の中で「なぜ?」「どうして?」と問いをたて、自ら学ぶ姿勢・自分らしい学び方を見つけていく3年間。
この経験が、より自由度の高い後期課程への土台となっていきます。
※ワールドオリエンテーションについてはこちら
1~3年の異学年学級
学級(ファミリーグループ)は、1年生~3年生の異学年で構成され、朝や帰りのサークル対話、ブロックアワーでの学習はこのグループを中心に行われます。
イエナプランにおいて教室は、単に学習するだけの場所ではありません。ファミリーグループの全員が、学びに向かい、また居心地よく過ごせるリビングルームのような環境であるために、どのような配置にするか、教室に何を置くのかなどは、ファミリーグループの話し合いで決められます。
年度が変わると、1年生、2年生は同じファミリーグループのまま学年が1つ上がり、新しい1年生が入ることでグループの3分の1が入れ替わります。
グループの文化や雰囲気はこうして継承されていきます。

自分のペースで学ぶブロックアワー
学習は、一般的な中学校の50分1時限ではなく、少し長めの時間設定になっています。これをブロックアワー(かたまりの時間)と呼び、その時間の中で、教科の学習に取り組みます。
集中しやすい午前中は異学年のファミリーグループで学ぶ時間が中心となり、週の計画表や、教科の目安の進度をもとにしながら、自分のペースで、
また他のメンバーと協力しながら学びます。
とくに基礎学力の積み上げが重要な英語や数学は、この時間を活用して、自分の学びの現在地を確かめながら、無理のないペースで学習を進めていきます。
教科の探究、プロジェクト学習
自分のペースで進めるファミリーグループの中での学習の他に、
「プロジェクト」と呼ばれる学年ごとに集まって中学校としての教科の学びを深める時間も設定されています。
国語、社会、理科などは、この時間に教科としての探究学習を行い、ドリル学習やプリント学習では得られないような教科としての深い学びに迫ります。プロジェクトの時間はそれぞれの教科の面白さを実感できる機会でもあります。
午後には、技術・家庭・音楽・美術といった技能教科や、保健体育の授業が、またファミリーグループごとに行われます。
ワールドオリエンテーション
ワールドオリエンテーションは、教科を超えた探究の時間です。ファミリーグループの枠も超えて、中学生全体で取り組んでいきます。
テーマはその都度様々ですが、自分たちの興味・関心をもとにして、また教科の学習で学んだ基本的な知識やスキルをフルに活用しながら、探究を進めていきます。
前期課程の時間割の例
- ファミリーグループでの活動
- 学年ごとの活動
- 前期課程全体での活動
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|
|
9:00
|
朝のサークル | ||||
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9:1510:25
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ブロックアワー①
|
||||
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10:40
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中休み | ||||
|
12:00
|
ブロックアワー②
|
||||
| お昼ごはん | |||||
|
13:0015:40
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|
|
|
|
|
|
15:55
|
帰りのサークル ※ | ||||
行事・自治
運動会、校外活動、修学旅行などの学校行事は、生徒が中心となって企画・実行します。
また、生徒会や委員会などの自治活動も精力的に行われています。
イエナプランでは民主的であることを大切にしており、大人が一方的に
(権威的に)物事を決定することはありません。子どもたちの意見を取り入れ、また対話しながら学校生活をつくっていきます。
そのためには、子どもたちの自治に対する意識が大切です。
ファミリーグループでの話し合いや、学校全体での話し合いを何度も繰り返しながら、社会における市民としての考え方を学んでいきます。

後期課程は単位制の普通科です。
1年目は必履修科目を中心に学習し、高校課程の学習の基礎となる力を身につけていきます。
また、チームで協力しながら探究を進めていく方法についても学びます。
学年が上がるにつれ、選択科目(学校設定科目)の割合が増え、より自由度の高い時間割を組むことができます。
選択科目は、自分の興味・関心、将来進みたい道に合わせて選択し、教科担当の先生・スタッフや友だちと共に、テーマや計画を立てる
ところからスタートします。
後期課程における必修科目と選択科目の割合

後期課程1年生Aさんのある1週間
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|
| 朝のサークル | ||||
|
|
|
|
|
| お昼ごはん | ||||
|
|
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|
|
| 帰りのサークル ※ | ||||
必修科目での探究
必履修科目は、卒業までに必ず履修しなければならない科目で、高校課程の学習の基礎となる知識、スキルを学びます。
時間割の例のように、連続コマ(100分)の授業時間があり、座学でただ先生の話を聞くという時間ではありません。
このかたまりの時間(ブロックアワー)の中で、スタッフからのレクチャーを受けたり、自分で学びを進めたり、その時間の学びの成果を振り返ったりします。
国語
現代の国語
言語文化
地理歴史
地理総合
歴史総合
公民
公共
数学
数学 I
数学A
理科
物理基礎
化学基礎
生物基礎
保健体育
体育
保険
英語
英語コミュニケーション I
論理・表現 I
家庭
家庭基礎
情報
情報 I
芸術※
音楽 I
美術 I
書道 I
※芸術科目は1つを選択
自由に選べる選択科目
後期課程では、複数の選択科目の中から学びたい科目を選び、自分で時間割を作っていきます。
学校設定教科「ワールドオリエンテーション」には、前期(中学校)での学びをさらに発展させ、自分たちで学びをつくっていける科目が数多くあります。
担当のスタッフ、一緒に学ぶ友だちと相談しながら、1年間を通して何を、どのように学んでいくのか、どのような成果を目指すのか。
大人が決めた基準ではなく、学びのゴールを含めて、自分たちで決めていくことができる。それこそが後期課程の最大の特長であり魅力です。
文学
幅広い文学作品を読み、
考察する
歴史探究
日本史と世界史を
横断的に学んで研究
シチズンシップ
民主主義や社会との
関わりを学ぶ
数学探究
テーマを決めて
より高度な数学を
化学
自分たちで企画する
化学研究
地域学
地域の歴史や文化から、
今後の社会を考える
異文化理解と国際交流
ワークショップ、
交流イベントに参加
創作表現
音楽、言葉、絵、映像、
好きな表現方法で
インターンシップ
企業とつながり
長期間の職場体験
アウトドア実践
キャンプ野外活動の
計画と実践
食と健康
レシピの開発、
調理実習
※選択科目の一例です。年度によって開講が異なります。
異年齢での関わり
朝や帰りのサークルではさまざまなテーマで対話をし、ホームルームの時間にはファミリーグループで環境設定をしたり、学びの成果を共有し合ったりします。
総合的な探究の時間では、学年を超えて「探究のスキル」について学習します。
評価・卒業の要件
定期試験はありません。
年間を通して、どのように学びを進めていったのか、どのような達成があったのかを、さまざまな材料をもとにして総合的に評価し、単位を認定します。
卒業までに必要な単位数は、必履修科目と選択科目合わせて74単位です。
科目選択や時間割の組み方によっては、1週間の中で空き時間を作ることもできます。
自分に合った学びのペースをデザインしてください。
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