jenaplan イエナプランについて

「どんな人も、世界にたった一人しかいない人です。
つまり、どの子どももどの大人も、他の誰とも取り換えることのできない、
かけがえのない価値を持っています。」
(イエナプラン 20の原則 1)
イエナプランの歴史・特色・指標
〜 8つのミニマム、20の原則 〜
イエナプランは、1920年代にドイツのペーター・ペーターセンによって提唱され、オランダで広がった教育コンセプトです。自立・共生を重視し、子ども一人ひとりの個性と成長を尊重するイエナプランの大きな特徴の1つは、異年齢の子どもたちが共に学ぶ「異年齢学級」です。また時間割は「教科×時間」主導ではなく、「対話・遊び・仕事・催し」の4つの活動を中心に構成され、主体的かつ協働的な学びにより、学力だけでなく、社会性などの全人的な成長を支援します。
イエナプランの理念は「8つのミニマム」や「20の原則」としてまとめられ、この「8つのミニマム」や「20の原則」は、イエナプランスクールの指標として、教育理念の中心に置かれています。
イエナプランの基本的要素
異年齢学級
実際の社会がさまざまな年齢の人たちで構成されているのと同様に、
学校の中でも異年齢での関わり合いを大切にしています。
学級はファミリー・グループと呼ばれ、3学年で構成されるのが基本です。
子どもたちは、3年間をファミリー・グループで過ごす中で、一番下、
真ん中、一番上のそれぞれの立場を経験し、自分自身の個性や他者との協力の仕方を学んでいきます。

4つの基本活動
対話、遊び、仕事(学習)、催し、この4つがイエナプランの基本活動です。

対話
朝はサークルになっての対話からスタートします。
週末にあったこと、時事ニュース、読んだ本についてなど、話題はさまざまです。

遊び
遊びは、子どもたちにとって創造性や社会性を育む、大切な時間です。
イエナプランでは「遊び」も「学び」の一つととらえ、時間割や活動の中に意図的に組み込んでいます。

仕事(学習)
学校は、子どもたちにとって成長のための場所であり、そのために、身に付けるべきこと、やらなければならないことがあります。
それが子どもにとっての仕事、すなわち学習です。

催し
イエナプランスクールでは、催しの機会を大切にしています。
教室で、または学校全体で、学びの成果を発表し合ったり、季節の行事を行ったり、誕生日のお祝いをしたりします。
楽しいことばかりではなく、悲しいことがあったときなどにも、その気持ちを分かち合う機会をもちます。
リズミカルな時間割
学校では、上記の4つの基本活動が1日の中で、1週間の中で循環するような
週計画が立てられます。
また、それぞれの時限は教科や時間(50分×6時限のような)で画一的に
区切られているわけでは無く、週計画の中で、子どもたちの集中力や活動の
内容に合わせ、緩急がつくように計画されています。

ワールドオリエンテーション
ワールドオリエンテーションは「イエナプランのハート」とも呼ばれるくらい、イエナプランにとって大切な学習活動です。
子どもたちは、目の前の具体的なモノや、体験から問いを立て、活動を計画し、自分たちで学びを進めていきます。教科の枠を超えて、関心や好奇心が最大限に発揮される活動です。

「人間について」「社会について」「学校について」の3つの部分からなる「20 の原則」は、イエナプラン教育の根幹となるコンセプトがまとめられたものであり、イエナプランスクールの土台となる基本的原則です。
茂来学園の校章について
多彩な20個の色が集まり、円を描く、茂来学園の校章は「20 の原則」を表現しています。
私たちの世界は異なる人々や異なる価値観でできていて、それぞれが大切にされてこそ、「誰もが、豊かに、そして幸せな世界」に近づくことができるのだということを、イエナプランの「20 の原則」と共に思い起こすことができるようデザインされています
人間について
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どんな人も、世界にたった一人しかいない人です。つまり、どの子どももどの大人も一人一人がほかの人や物によっては取り換えることのできない、かけがえのない価値を持っています。
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どの人も自分らしく成長していく権利を持っています。自分らしく成長する、というのは、次のようなことを前提にしています。つまり、誰からも影響を受けずに独立していること、自分自身で自分の頭を使ってものごとについて判断する気持ちを持てること、創造的な態度、人と人との関係について正しいものを求めようとする姿勢です。自分らしく成長して行く権利は、人種や国籍、性別、(同性愛であるとか異性愛であるなどの)その人が持っている性的な傾向、生れついた社会的な背景、宗教や信条、または、何らかの障害を持っているかどうかなどによって絶対に左右されるものであってはなりません。
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どの人も自分らしく成長するためには、次のようなものと、その人だけにしかない特別の関係を持っています。つまり、ほかの人々との関係、自然や文化について実際に感じたり触れたりすることのできるものとの関係、また、感じたり触れたりすることはできないけれども現実であると認めるものとの関係です。
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どの人も、いつも、その人だけに独特のひとまとまりの人格を持った人間として受け入れられ、できる限りそれに応じて待遇され、話しかけられなければなりません。
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どの人も文化の担い手として、また、文化の改革者として受け入れられ、できる限りそれに応じて待遇され、話しかけられなければなりません。
社会について
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私たちはみな、それぞれの人がもっている、かけがえのない価値を尊重しあう社会を作っていかなくてはなりません。
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私たちはみな、それぞれの人の固有の性質(アイデンティティ)を伸ばすための場や、そのための刺激が与えられるような社会をつくっていかなくてはなりません。
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私たちはみな、公正と平和と建設性を高めるという立場から、人と人との間の違いやそれぞれの人が成長したり変化したりしていくことを、受け入れる社会をつくっていかなくてはなりません。
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私たちはみな、地球と世界とを大事にし、また、注意深く守っていく社会を作っていかなくてはなりません。
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私たちはみな、自然の恵みや文化の恵みを、未来に生きる人たちのために、責任を持って使うような社会を作っていかなくてはなりません。
学校について
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学びの場(学校)とは、そこにかかわっている人たちすべてにとって、独立した、しかも共同して作る組織です。学びの場(学校)は、社会からの影響も受けますが、それと同時に、社会に対しても影響を与えるものです。
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学びの場(学校)で働く大人たちは、1から10までの原則を子どもたちの学びの出発点として仕事をします。
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学びの場(学校)で教えられる教育の内容は、子どもたちが実際に生きている暮らしの世界と、(知識や感情を通じて得られる)経験の世界とから、そしてまた、<人々>と<社会>の発展にとって大切な手段であると考えられる、私たちの社会が持っている大切な文化の恵みの中から引き出されます。
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学びの場(学校)では、教育活動は、教育学的によく考えられた道具を用いて、教育学的によく考えられた環境を用意したうえで行います。
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学びの場(学校)では、教育活動は、対話・遊び・仕事(学習)・催しという4つの基本的な活動が、交互にリズミカルにあらわれるという形で行います。
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学びの場(学校)では、子どもたちがお互いに学びあったり助け合ったりすることができるように、年齢や発達の程度の違いのある子どもたちを慎重に検討して組み合わせたグループを作ります。
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学びの場(学校)では、子どもが一人でやれる遊びや学習と、グループリーダー(担任教員)が指示したり指導したりする学習とがお互いに補いあうように交互に行われます。グループリーダー(担任教員)が指示したり指導したりする学習は、特に、レベルの向上を目的としています。一人でやる学習でも、グループリーダー(担任教員)から指示や指導を受けて行う学習でも、何よりも、子ども自身の学びへの意欲が重要な役割を果たします。
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学びの場(学校)では、学習の基本である、経験すること、発見すること、探究することなどとともに、ワールドオリエンテーションという活動が中心的な位置を占めます。
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学びの場(学校)では、子どもの行動や成績について評価をする時には、できるだけ、それぞれの子どもの成長の過程がどうであるかという観点から、また、それぞれの子ども自身と話し合いをするという形で行われます。
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学びの場(学校)では、何かを変えたりより良いものにしたりする、というのは、常日頃からいつでも続けて行わなければならないことです。そのためには、実際にやってみるということと、それについてよく考えてみることとを、いつも交互に繰り返すという態度を持っていなくてはなりません。
(K ・ボットとK ・フロイデンヒル 1992 年/リヒテルズ直子日本語訳)
8つのミニマムは、「オランダイエナプラン教育の母」と呼ばれるスース・フロイデンタールによって、イエナプラン創始者であるペーター・ペーターセンの教育理念を、教員が立ち返りやすいようエッセンスとしてまとめられたものです。
また、スース・フロイデンタールは「イエナプランは固定的なモデルではなく、個々の学校による独自の解釈や実践によって起きる進展に開かれている」ことを強調しており、イエナプランスクールは基本原則をもとに、それぞれにユニークな学校づくりを行っています。
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インクルーシブな考え方を育てる
— 自分と他者との違いを知る、認める、受け入れる
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学校のあり方を、人間的で民主的なモノとする
— ソシオクラシー※に基づいて皆で決定する
※ ソシオクラシー : 動的統治。
調和のとれた社会環境を生み出そうとするガバナンスシステム -
対話
— 学校に関係する全ての人との対話とその準備
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教育の人類学化
— ペタゴジカル(教育学的)な環境づくり
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ホンモノ性
— ありのままの自分らしさ、本質的な体験
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自由
— お互いの自由のために、自律的に行動し、協力する
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批判的思考を育てる
— 自分の頭で考える、意味を問い直す
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創造性
— 想像力と創造力のための刺激と機会
( スース・フロイデンタール 1966年/リヒテルズ直子日本語訳版を茂来学園が一部変更)
2009年にオランダ・イエナプラン協会で採択されたコア・クオリティは、子どもを出発点に、子どもの「自分自身との関係」「他者との関係」「世界との関係」が書かれており、イエナプランスクールとしての指標の一つとして採用されています。
茂来学園が「大切にする3つのこととして掲げる「自立する」「共に生きる」「世界に目を向ける」は、コア・クオリティを中心に置き、考えられています。
「一人ひとりの個別の人生は、グループのなかにあってグループの力を借りて、開かれていくものだ。
なぜなら、共同体のなかでのみ、共同体を通してのみ、
個性はそれぞれのパーソナリティーに発達し、強化されるものだからだ。」
イエナプランの創始者 ペーター・ペーターセン『小さなイエナプラン』より抜粋
自分自身との関係
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子どもたちは自分の長所と短所を自覚し、自分の特性を活かしながら努力する。
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子どもたちは自分の成長と発達を元に評価される。
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子どもたちは何を学びたいか、何を学ばなければならないか、いつ説明が必要か、どのように学習を計画しなければならないかについて、自分自身で責任を持つことを学ぶ。
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子どもたちは自分の発達に対してリフレクション(振り返って見直すこと)を学ぶ。
またそれについて他の人と話し合うことを学ぶ。
他者との関係
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子どもたちは、異年齢グループの中で発達する。
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子どもたちは、協働、助け合い、それらについてお互いの行動を振り返ることを学ぶ。
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子どもたちは、ファミリー ( 根幹 ) グループや学校における調和の取れた共同生活について、誰もが自分らしく、また、豊かな生活を経験できるように、自ら責任を持ち、共に意思決定に参加することを学ぶ。
世界との関係
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子どもたちは、自分たちが成すことは、生きた真正な(本物で現実の)状況の中に対するものであることを理解し、その中で学んでいくことを学ぶ。
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子どもたちは、自分の周囲の環境を大切にし、責任を持ってかかわることを学ぶ。
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子どもたちは、世界について識るために、ワールドオリエンテーションの中で、学校が教材として提供している学びの内容を適用する。
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子どもたちは、リズミカルに組まれた日課に沿って、遊びながら、仕事をしながら、対話をしながら、また、共に催しに参加しながら学ぶ。
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子どもたちは、自分自身の関心や問いから自発的に行動することを学ぶ。
(オランダ イエナプラン教育協会2009年/リヒテルズ直子日本語訳)
イエナプラン教育の歩み
— ドイツ・オランダ、そして日本 —
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1924年
ドイツ
イエナ大学の実験校として「イエナプラン教育」が始まる。創始者であるペーターセンはこれを「人間の学校」と呼んだ
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1966年
オランダ
オルタナティブ教育の立場からオランダの教育改革に絶大な影響を与えたフロイデンタールにより、オランダ教育界にイエナプランが伝えられ、「8つのミニマム」がまとめられる。
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1992年
オランダ
イエナプラン教育協会の総会にて、具体的なコンセプトである「20の原則」が採択され、以後イエナプランスクール共通の指針となる。
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2004年
日本
リヒテルズ直子がイエナプランを日本に紹介する
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2009年
オランダ
イエナプラン教育協会の総会にて、イエナプランスクールが目指す目標である「コアクオリティ」が採択される
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2010年
日本
任意団体として日本イエナプラン教育協会が結成される。2014年一般社団法人となる
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2019年
日本
日本初のイエナプランスクール茂来学園大日向小学校が開校
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2022年
日本
全国へとイエナプランスクールが広がる
- 福山市立常石ともに学園 (2022年)
- 茂来学園大日向中学校 (2023年)
- ろりぽっぷ学園ろりぽっぷ小学校(2024年)
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